民事信託

軍用地地主の認知症対策!注目の「民事信託」の利用のメリット

こんにちは 行政書士の大湾です。

最近「民事信託」について相談を受けることが多くなりました。

実は、私の父親も自分の軍用地を民事信託しています。

今回は、軍用地地主が民事信託するメリットについてまとめてみたいと思います。

1.はじめに

軍用地所有者の方々が認知症になると、資産や財産の管理が難しくなります。そこで、民事信託という手法が役立つことが知られています。この記事では、軍用地所有者の認知症対策として民事信託を活用するメリットについて説明します。

2.軍用地地主が認知症を発症すると起こる問題

認知症になると、記憶力や判断力が低下し、資産管理に関する問題が生じます。

軍用地は年1回7月下旬、軍用地の地代が銀行口座に振り込まれますが、

もし認知症を発症し意思能力が低下していると銀行に判断されると、銀行口座が凍結されてしまい軍用地料を引き出せない可能性があります。

また、軍用地を売買したお金を老後の生活費に充てようと思っていたのに、認知症の発症の程度によっては売買契約が締結できず、軍用地を売却することも難しくなってしまいます。

3. 民事信託とは

民事信託は、財産や資産を信託契約に基づいて管理する方法です。

信託財産(軍用地)は信託財産の受託者によって管理され、信託契約に基づいて指定された目的のために使用されます。これにより、認知症の症状が進行しても資産の管理が安定します。

4. 軍用地地主の認知症対策としてのメリット

民事信託を利用することで、銀行口座が凍結される、軍用地地主会への会費が支払えない、国との軍用地使用の契約更新ができないなど、軍用地所有者が認知症と向き合う際のリスクを軽減できます。

受託者が資産を適切に管理し、信託契約に基づいて受益者に資産を分配することで、経済的に安定した生活を送ることができます。

受託者の指定を次世代だけでなく第二継承者の指定もできます。

5. 民事信託の契約プロセス

民事信託を設立する手順は、まず信託契約書を作成し、受託者を選定することです。

信託財産を譲渡し、信託契約に基づいて信託財産を管理するための手続きを行います。

信託契約には、信託の目的、信託財産の管理方法、信託財産の受益者などが明確に規定されています。

信託契約書を公正証書にすることで、改ざんのおそれがなく、また不動産の場合には公正証書にしなければ、受託者への所有権移転ができないため、公証役場で公正証書の手続きをします。

軍用地から発生する軍用地料の入金口座、軍用地を売却した際の売買代金を預け入れる「信託口座」を開設します。

6. 軍用地を民事信託すべきポイントとリスク

民事信託を利用する際には、信託契約書の内容を十分に理解し、受託者を信頼できるかどうかを確認することが重要です。

ただ、軍用地の場合先祖代々の土地であることが多く、受託者は子や孫などの家族や親族を指定することがほとんどです。

しかし、家族間で信託契約を結んだ場合、親よりも子が先に亡くなってしまうことも考えなければいけません。

そこで、第2の受託者(孫など)を指定することも契約書に盛り込むことも大切です。

また、定期的な監査や、受託者に対する報告請求権を契約書に記載しておくことも忘れないようにしましょう。

7.軍用地の相続の争いを防ぐ役割

今回は、軍用地所有者が認知症対策として注目されていることについてお伝えしました。

軍用地を民事信託する意義は、認知症対策以外にもあります。

軍用地は資産的価値が高いため、相続時の遺産分割でもめる原因となっています。

そこで、相続財産から切り離し「信託財産」とすることで、争いの元を断つという役割も大きいのです。

ただし、信託財産といえども、実際には受益者の財産であることから、受益者が亡くなったときは、その信託財産は他の相続財産と同様の扱いになります。

つまり、遺留分の対象となるということです。

信託財産が遺留分を侵害している場合には、法定相続人間で争となってしまう可能性もあるので、法定相続人への財産分与のバランスを考えながら、信託契約の内容も考えることが大切です。

軍用地の民事信託に関することは、当事務所へご相談ください。

当事務所は弁護士と提携しておりますので、安心してご相談ください。

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