遺言

行政書士へ遺言書作成を依頼すると相場はいくら?遺言の方式別に解説

補助者ぶう太郎
補助者ぶう太郎
最近、遺言の作成を考えている方が増えているんだって!!

・遺言書って自分で書いても大丈夫?

・公正証書遺言がいいって聞いたけど?

・手数料はかかるの?

・行政書士に頼むといくらかかるの?

今回はそんな疑問に答えるべく、遺言の種類から行政書士への報酬について解説していきます。

 

遺言の方式と特徴

遺言の方式は主に2つあります。

「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」です。

自筆証書遺言は、すべて自分で作る手軽で自由度の高い遺言です。

もう一つの公正証書遺言は、元裁判官や元検察官などの主に法曹資格を持つ公証人が作る信頼性の高い遺言です。

 

自筆証書遺言

自筆証書遺言を作るには

  • 15歳以上であること。
  • 自書能力があること。
  • 意思能力があること。

 

自書能力とは、「自分で文書を書くことができること」を言います。自筆証書遺言は、全文、日付及び氏名をすべて自書しなければなりません。

意思能力とは、「法律上、自分の行為や結果を判断することができる精神能力」のことで、15歳以上であっても認知症や精神疾患がある場合、遺言の有効性が争われる場合があります。元気なうちに遺言書を作成しましょう。

 

自筆証書遺言のメリット

紙とペン、印鑑と朱肉があれば自分だけで手軽に作ることができます。

何度作り直してもほとんど費用がかかりません。

 

自筆証書遺言のデメリット

○法令の要件(民法968条など)を満たしている必要があります。

○遺言書の全文、日付及び氏名を手書きし、押印する必要があります。

○本文をパソコンでつくることはできません。ただし、財産目録のみパソコンで作成したり、通帳の写しや不動産登記事項証明書を添付するなど、手書き以外の方法が認められています。

○遺言の内容や法律上の形式を満たしていない場合、遺言が無効になるおそれがあります。

○遺言書を自分で原本を保管する必要があります。弁護士や金融機関に預けるケースもありますが、自宅で保管する場合、不用意に見られたり、紛失や改ざんなどのおそれもがあります。

○遺言者が亡くなった場合、家庭裁判所での検認手続きが必要となります。

 

検認とは、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続きです。遺言者が亡くなったら、遺言書は開封することなく、まずは家庭裁判所で検認の手続きをしなければなりません。

 

その点、自筆証書遺言書保管制度を利用すると、法務局が大切に保管してくれる上、家庭裁判所の検認も不要です。ただし、遺言書の有効・無効を判断する手続きではないので、遺言の内容に法律的な問題があった場合、紛争に発展する可能性もあります。

 

公正証書遺言

  • 15歳以上で意思能力を有する者。
  • 自筆証書遺言と異なり、公証人が作成するので自書能力は不要。
  • 費用は、財産の価格に応じた金額の手数料が必要。

 

公正証書遺言の手数料

公証役場に支払う作成手数料は、遺言により相続させ又は遺贈する財産の価額によって計算します。

財産の価額 手数料
100万円以下 5000円
100万円を超え200万円以下 7000円
200万円を超え500万円以下 11000円
500万円を超え1000万円以下 17000円
1000万円を超え3000万円以下 23000円
3000万円を超え5000万円以下 29000円
5000万円を超え1億円以下 43000円
1億円を超え3億円以下 4万3000円に超過額5000万円までごとに1万3000円を加算した額
3億円を超え10億円以下 9万5000円に超過額5000万円までごとに1万1000円を加算した額
10億円を超える場合 24万9000円に超過額5000万円までごとに8000円を加算した額

 

遺言は、相続人・受遺者ごとに別個の法律行為になります。したがって、各相続人・各受遺者ごとに、相続させ又は遺贈する財産の価額により目的価額を算出し、それぞれの手数料を算定し、その合計額が手数料の額となります。

 

公正証書遺言のメリット

○公正証書遺言は公証人が2名以上の証人の立会のもと、厳格に作成します。

○遺言の内容については、公証人の助言を受けることができます。

○半永久的に無料で保管してくれます。

○遺言者が病気等で公証役場に出向けない場合は、公証人が出張して作成できます。

○原本は公証役場において半永久的に無料で保管してくれます。

○家庭裁判所の検認手続きも不要で、遺言した本人が死亡したとき、他の相続人の同意を要しないで、その公正証書で登記・銀行預金の解約・払戻し等の手続ができます。

 

公正証書遺言のデメリット

○自分で相続人や受遺者に関する証明書(戸籍謄本や住民票等)、財産の証明書(登記事項証明書や資産評価証明書等)などの必要書類を集めないといけません。

○遺言の原案作成のために公証役場とやり取りする手間が面倒です。

○公証役場へ支払う手数料に加え、弁護士や行政書士に依頼すればさらに報酬が発生します。

 

遺言書作成を行政書士に頼むといくら?

自筆証書遺言の場合

せっかく作った遺言書も、法律上無効になってしまっては意味がありません。

そこで、ご自身で遺言書を作成する場合、多少費用がかかっても、遺言の内容が法律的に問題がないか、専門家にチェックしてもらうことをおすすめします。

ただ、弁護士に依頼した場合、最低でも20万円くらいの報酬からスタート。さらに、財産の価値によって報酬が変動するので、報酬が何十万円にもなる可能性もあります。

沖縄県の行政書士の場合は、相続財産の額によらず、定額の報酬であることがほとんど。

当事務所の場合、自筆証書遺言の原案作成は10万円から。遺言の内容や枚数によって加算させていただくことはありますが、財産の価格によって変動することはありません。

 

 

 

公正証書遺言の場合

行政書士に依頼すれば、ご自身で行わなければならない戸籍の収集や財産目録の作成なども、行政書士が代行してくれます。

公正証書遺言を作成するのは公証人ですが、遺言者の意思をまとめ原案を作成し、公証人にお伝えする橋渡し役を行います。

 

何度か修正を行ったあと、遺言者の納得する遺言公正証書ができれば、遺言者本人と証人2名とで公証役場に出向きます。その日程調整等も行政書士が行います。

公証人が作成した遺言公正証書を、遺言者本人と証人2名に読み聞かせ、遺言者が署名すれば、遺言公正証書の完成です。

 

沖縄県の行政書士の場合、公正証書遺言の原案作成は7万円から15万円くらいが相場です。ただし、戸籍の収集や財産調査・財産目録の作成は別途報酬が発生することがありますので、必ず確認しましょう。

 

当事務所は、公正証書遺言の原案作成だけでなく、戸籍の収集、財産調査、財産目録の作成を含めて10万円から(実費別)です。

遺言の内容が複雑であったり、相続人が多い場合は加算させていただきますが、弁護士のように財産によって報酬が変動することはありません。

 

-遺言